『刑事事件』の相談なら【弁護士法人心 立川法律事務所】

「交通犯罪」に関するお役立ち情報

交通事故の加害者の刑事責任

  • 文責:所長 弁護士 福島晃太
  • 最終更新日:2025年8月25日

1 交通事故を起こしてしまった場合、どのような刑事責任を負うか

交通事故の加害者が負う刑事責任は、事故の内容や運転の態様などによって異なってきます。

以下に、主な刑事責任の種類を説明します。

2 過失運転致死傷罪

自動車の運転上必要な注意を怠って人を死傷させた場合の罪です。

人身事故を起こした場合に最もよく問われる罪だといえるでしょう。

罰則は、7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金とされています。

3 危険運転致死傷罪

以下のような悪質・危険な運転で人を死傷させた場合に適用されます。

・アルコールや薬物の影響により正常な運転が困難な状態での運転

・進行を制御することが困難な高速度での運転

・赤信号等をことさらに無視 等

これら、危険運転致死傷罪が適用される場合の罰則ですが、人を負傷させた場合には15年以下の拘禁刑、人を死亡させた場合には1年以上の有期拘禁刑とされています。

4 道路交通法違反

人身事故を起こした場合、同時に道路交通法違反も犯しているケースもよく見られます。

例えば、速度違反、無免許運転、酒気帯び運転、酒酔い運転、事故後の救護義務違反などです。

5 どのような処罰が予想されるか

人身事故を起こして、人を死傷させ、過失運転致死傷罪などが成立する場合、検察官が起訴するかどうかの判断、起訴された場合に裁判所がどのような刑罰を科すかの判断にあたっては様々な事情が考慮されます。

まず重視されるのは、被害結果の重大性、事故態様などです。

当然ながら、人身事故の場合、被害者の方がどのような怪我を負うかは千差万別です。

重い怪我の方が、重い処分をすべき事情になるでしょう。

事故態様、つまり、加害者の過失の程度や内容についても事故によって千差万別ですので、過失の程度が大きかったり内容が悪質だったりするほど、重い処分をする方向に傾くでしょう。

上記のように道交法違反を伴っている場合も重い処分をすべき事情になると思われます。

6 任意保険の重要性

交通事故を起こして被害を与えてしまった場合、金銭的な被害回復が図れるかどうかは刑事処分にあたっても重視される点です。

任意保険に加入して万一の場合の備えをすることは非常に重要です。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ